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以前から書きたい書きたい言ってたわけで、
調子乗って書いてしまいました。
ジェイド×ディストSSです。
ええと、簡単にお話の説明を
ED後マルクトに捕縛されたディストは釈放され、
研究者としてグランコクマでお仕事してます。
大好きなジェイドとも色々あって、恋人同士になれた模様。
そして、それはそんな時に起きたお話です。
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グランコクマの何気ない1日
窓から入る風は潮風の匂いがする。
ダアトともベルケンドとも違う匂いに包まれて、ディストはひとり音機関を組み立てていた。
幼馴染の皇帝からマルクトのために働くことを条件に恩赦を与えられ、それなりの制約はあるが充実した日々を送っている。
その充実感は今まで味わったことが無いもので、今までのとの違いは紛れもなくジェイドのとの関係。
赤い瞳の恋人を思い出してしまいディストの頬が一気に赤くなる。
「よお、サフィール。調子はどうだ?」
突然、聴こえてきた静寂を破る大きな声。
返事をしなくても開かれた扉の先に本来はこんなところにはいてはいけないはずのグランコクマ皇帝の姿を確認して、ディストは慌てて顔を背ける。
こんなに赤い顔をピオニーに見られたら、思う存分からかわれることだろう。
「っ…別に普通ですよ」
「何だよ、随分冷たいな~
ヒドイと思わないか、なあサフィール」
ピオニーがサフィールと呼びかけたのは、ディストではない。
足元で『ブヒブヒ』と鳴くブウサギのサフィール。
首輪にリードが付いているところを見ると散歩の途中のようだった。
「ここにそんなものを連れてこないでください。
研究の邪魔です」
『さっさと帰れ』と言ってるつもりなのだが、ピオニーにそれは通用しない。
「この建物はどれも俺のもんだ。
好きにしたっていいだろう?」
「皇帝がそんなでは国の崩壊も近いかもしれませんね」
帰るつもりの無いらしいピオニーにディストはチクリと嫌味を言う。
「そう思っても、もう出て行く気はないんだろ?」
しかし、ピオニーは逆にニヤニヤと笑って言葉に含みを持たせた。
ここにジェイドがいる限り、ディストがグランコクマから出て行くつもりはない。
それを知っていてピオニーはそういうのだ。
「もう出て行く気はありませんよっ!」
「その言葉の前にジェイドがいる限りって付くんだろ?」
ズバリと言い当てられて、ディストの頬が再び真っ赤になる。
ディストの白い肌では赤面したことは一目瞭然。
きっとピオニーの目にもすぐにわかったはずだ。
「だ、だまりなさいっ!」
「いいじゃねえか、幸せなんだろ?
お前らが幸せなら、俺も嬉しいしな」
「……自分の幸せはどうなんですか?
皇帝がいつまでも独身では国民も心配でしょう」
ジェイドとのことをからかわれたくないディストは、しばらく考えてピオニー自身のことを尋ねた。
ディストにしてみればピオニーのことなんて別に聞きたくもないが、話を逸らせるにはそれが一番だと思う。
「そうだな~ネフリーに娘でも生まれたらその子を嫁にしようかな」
既に結婚をしているネフリーがピオニーとどうにかなる可能性は低い。
それをわかっていてピオニーはそう言うのだ。
「…意外に一途なことを言いますね」
「何だ、今更気が付いたのか?
俺は誠実で真面目な男だからな」
「真面目で一途な男は仕事をサボったりしないと思いますよ。
…いい加減にしないと、私がジェイドに…」
時計を見て、ディストは少し青くなる。
別にディストがピオニーを引き止めたわけではない。
しかし、こんなところをジェイドに見られたら逃げ出した皇帝を匿ったと思われるかもしれない。
何よりもジェイドに怒られるのは避けたいディストの耳に非常な声がかけられた。
「随分楽しそうですね~」
ディストの体が固まる。
「じぇ、ジェイド…違います!
この男が勝手にここに来たんですっ!」
「ええ、わかってますよ。
さあ陛下仕事が山ほど貯まってます。
とっとと帰りますよ」
ジェイドの顔は笑顔だ。笑顔だが、確かに怒っていた。
昔からジェイドを見ていたディストにははっきりとわかる
ディストとしてはこれ以上ジェイドの機嫌を損ねたくない。
しかし、そんな希望に反してピオニーはまだ食い下がる。
「何だよ~もう少しいいじゃねえか」
「そうですか、では…このサフィールに少し痛い目見ていただきましょうか?」
ピオニーの足元でまどろんでいたブウサギのサフィールを指差し、ジェイドが改めて黒い笑顔を浮かべる。
ジェイドの機嫌はまた一段階悪くなったようだ。
「ここで丸焼きにしてもいいのですが…どうしますか?」
「わ、わかった戻る、戻るよ!
戻ればいいんだろ」
「聡明な皇帝陛下で部下としても鼻が高いです」
「相変わらず嫌味な奴だな」
「お褒め戴いて光栄です。
行きますよ、陛下」
それだけ言うと閉じた扉と共にジェイドの姿は見えなくなった。
サボっていたピオニーと一緒にいたのだから、ディストにも何らかの報復があるものだと思っていたのだが全く何もなかった。
それどころか今日のジェイドはほとんどディストのことを全く見ていなかったように思える。
ピオニーを探しにここにやってきて、ピオニーを連れて帰るジェイド。
そのジェイドの行動にディストの存在は全く無い。
仕事中なのだから当然だとも思うが、もう少し気にして欲しいと思うのは我侭ではないとディストは思う。
『やっぱりジェイドにとってはピオニーの方が大切なんですかね…』
本当にジェイドが好きなのはピオニーなのではないか。
浮かんでしまった考えに思わず零れそうになった涙を必死で止め、もう一度考え直す。
部屋に来たときのジェイドは恐ろしく機嫌が悪かった。
ピオニーが仕事をサボっていた所為もあるとは思う。
しかし本当の原因はディストがピオニーと談笑をしていたからではないだろうか。
ジェイドはピオニーが別の人間と一緒にいることが気に入らなかったのではないか。
そう考えたとき、何だか全てのパズルのピースがはまったような気がした。
両目から冷たいものが流れるのをもう止めることはできない。
ジェイドがピオニーのことを好きだという事実と、ピオニーを話をしたという理由で不機嫌になるジェイド。
そのふたつはディストにとってあまりにも残酷なこと。
恋人だと思っていたのは、ジェイドのほんの気まぐれで、本当は愛してなんかいなかったに違いない。
「…ヒドイです。
酷すぎます…ジェイド…」
「おや、私のどこが酷いんですか?」
「!!」
誰も答える人間なんていなかったはずの、言葉に返事が返ってくる。
しかも、そこにいたのは今の今までディストの頭の中の中心にいた人物。
ジェイドの姿を確認して、ディストの頭の中は空っぽになる。
「どこが酷いのか答えなさい、ディスト」
「……な、何でもありません」
もう一度同じ質問をされてようやく出てきた言葉が『何でもない』。
『ジェイドが酷い』と言っているのにそんなはずはないことはディスト自身もよくわかっているが、そういうのが精一杯だった。
「…何でもないはずないでしょう。
私の名前を出して、あまつさえ『酷い』と言い切ったんですからね」
睨みつけるジェイドの赤い瞳はディストを恐怖のどん底に叩き落す。
思わず『ごめんなさい』と言いそうになるが、しかし本当に酷いのはジェイドだということを思い出す。
「酷いと言ったら酷いんです!」
「だから、何が酷いんですか?」
「……」
もしも、今ここでジェイドにあのことを言ってしまったらどうなるのか。
多分、何でもないような顔をして、肯定するに違いない。
そして、ディストは捨てられるのだ。もう何の興味もないと言った具合に。
一度止まった筈の涙が再びディストの頬を濡らす。
「っ…な、何でも、っ…あり、ません」
ディストはしゃくり上げながらも頑なに口を閉ざす。
残酷な嘘だけれど、問いたださなければこれからもジェイドと一緒にいられるはず。
でも、一度は『愛されてた』と思ってしまっただけにやっぱり悲しくて、寂しくて。
涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになってもディストは涙を止めることができない。
「はあ……いい加減に泣き止んだらどうです」
「わか、って、ますよっ」
ため息を付いたジェイドにしゃくりあげながらディストは答える。
わかっているけど、止まらないのだからしょうがない。
ディストの頬を伝う涙をジェイドが手袋のままの指先で少し強めに拭った。
「相変わらず、洟垂れですねぇ」
「また馬鹿にしてっ」
「そうですね、そんなところも可愛いと思っています」
「嘘ですっ!
だ、だって貴方は……
貴方は私のことなんて、好きでもないんでしょう!
…わ、私は知ってるんです。
本当に好きなのはピオニーだってことを!」
ついに、ついに言ってしまった。あまりにもさらりとそんな嘘をジェイドが言うものだから。
後悔しても遅い。本当のことを知ってるとわかればジェイドはディストを側に置いておくことはしないだろう。
ディストには何の魅力もないのだから。口からは意味を為さない嗚咽しか出てこない。
どうせ捨てられるなら最後までしっかりとジェイドの顔を見ていたいのに、涙と洟は洪水のように止まらない。
「馬鹿だ馬鹿だと思っていましたが、まさかここまで馬鹿だったとはねぇ」
突然、頭を思いっきり殴られて衝撃で涙が止まった。
「な、何するんですか!」
「それで誰が誰を好きですって?」
「だから、ジェイドがピオニーを…」
「どこをどう見たらそう思えるんですか…
それに私はお前のことが好きだと言ったはずですが?」
「それは…ジェイドの気まぐれで…」
「いくら気まぐれでも誰かのことを好きだなんて面倒なことはしません」
ピシャリと言われてディストは押し黙る。それもそうかもしれない。
あのジェイドがただの『気まぐれ』でジェイドのことを構ったりキスしたりなんて面倒なことはしないだろう。
「で、でも…今日は一度も私のことを見なかったじゃないですか」
「そうですね。貴方を見てると欲情してしまいますから」
「………えっ?」
言われた言葉をディストが理解するのに若干の時間がかかる。
そして、その言葉を理解すると、同時にディストの頭は真っ白になった。
ディストが…欲情する?私に…?
ジェイドはそういうことに対してどちらかというと興味が薄いのかと思っていた。
いつもディストばかりがあられもなく乱れるだけで、ジェイドは普段どおりだったから。
「まあ、いつ如何なる場所でも貴方がそれに付き合ってくれるというのでしたら、
いつでも貴方のことを見ていて差し上げますよ」
「えっ?ええっ!?」
「ああ、そうですか。
そうして欲しかったんですね。
すみません、気が付かなくって」
「そ、そんなわけないでしょう!
いつでもなんて無理です!!」
一方的に話を進められて『このままではまずい』とディストは反撃に出る。
『いつでも』なんてことになったら研究もままならないし、体力のないディストにしてみれば死活問題だ。
しかし、その反撃はいつもよりも低いジェイドの声に敢え無く切り捨てられた。
「…貴方が私を疑ったんですからね。
その疑う暇も無いようにしてあげますよ」
眼鏡の奥でジェイドの赤い瞳が怪しく光る。もう逃げられそうにない。
これからのことを考えるとジェイドを疑ったことを激しく後悔する。
しかし、それでもジェイドに求められて嬉しいと思ってしまうディストだった。
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というわけで、初書きジェディスでございました。
基本的にディストの想像は間違えてばっかりというww
こう考え方が斜め上なところもいいと思うんですv
そして、その考え(悩み)が無駄に終わる辺りがまたいい。
あー割と個人的にはシリアス風味に書いたんですが
結局激甘小説書きなので、甘い方向に収束してます(笑)
多分、今後もこんな感じでしょう。
新婚バカップルとか大好きだし☆
とりあえず、もうちょっと色々書けたらまとめてサイトに収納します。
その時はきっとテイルズ部屋を作るでしょうww
上のお話のディストが釈放されてジェイドと恋人になるまでのお話も書きたいしね。
他にもガイルクも書きたいし、マルクトメンバーでギャグっぽいのも書きたいよ☆
でもノマカプにも愛。
百合もOK。
という何でもあり人間でございます。
好きなもの
学園ヘヴン
(中七、中丹羽など雑種)
臨海合宿(霧原受)
鬼畜眼鏡(片桐受)
逆転裁判(ミツナル、響オド)
歪みの国のアリス(猫アリ)
一夜怪談(浅萩)
モンスターハンター、ドラクエなど
主にゲーム中心に愛。
こそこそとサイトで捏造文章創作中。
よろしくお願いします。
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